LOOSER 2022雑感あれこれ。
LOOSER 2022雑感あれこれ。
3月6日にTEAM NACS25周年記念「LOOSER 2022」が配信されました。
現在絶賛アーカイブ期間中です。
あまりにも良かったので感想もろもろを書き留めておこうと思い。
こういうときにブログ作っててよかった。
ただだらだら書くだけになっているので考察もへったくれもありません。
あと作品の内容を含んでおります。
「LOOSER 2022」は2004年にTEAM NACSが初めて行った東京公演「LOOSER~失い続けてしまうアルバム」を再構築した作品。
楽しみな半面、少し不安もあり。
下敷きがあるものだと、どうしても比較されたりすることがあるじゃないですか。
でも、ふたを開けたら新感覚でまた違ったLOOSERになってました。
恐れ入りました…木村監督、脚本の田中さんすごい…
舞台でも映画でもドラマでもない、不思議だった。
映像だけど演劇なところもあったし、映像でしかできないところの強みも相まって不思議だった。
2004年では何となく日々を過ごす主人公が、幕末にタイムスリップして幕末の志士たちと出会うことで、自分の大義を見いだす。
2022年では、売れない役者の主人公が、幕末にタイムスリップして幕末の志士たちと出会うことで、自分の生きる意味を見いだす。
初演から18年経っている部分を無理なく設定に落とし込んでいるなぁと。
2022年の主人公佐藤重幸は48歳。50手前で役者として大成していない自分に鬱屈としながら生きている。周りからはあれはミドルエイジクライシスだとかと言われる。
2004年は可もなく不可もなく平凡にだらだらと生きている主人公(当時のシゲさんの実年齢を当てはめていいか分からないけどおそらく30代)。
年代によって何に焦っているのか、何に悩んでいるのかは違う。
もしくは悩んではおらず淡々と日々を過ごす場合もある。
この無理のない感じが、進んでいく物語に深みを持たせている、というか。
「誰かのために」と自分なりの大義を果たした2004年、
「自分のために」と命を燃やし続けることを誓った2022年。
着地点は違えど、ベースになっているものは同じような気がして。
えーっと、このベースになっているもの、を日曜日からずーっと考えているのですが、言語化できません。誰か助けてほしい…
ほわっとしすぎていますが、見終わったときに直観で2004年も2022年も同じものが脈に走っているなと感じたのです。
5人の演技が完全に18年前よりパワーアップしすぎてて脱帽。
割と最近2004年の方を見たのに今もう一度見直したのですが、格段に違う。
2004年は若さと勢いにあふれていて、2022年は円熟味が増している…
18年間の5人が積んだ経験がにじみ出ていました。
2004年ももちろん好きです。勢いのある、少し荒削りなところも。
森崎博之の重みと佇まいと貫禄。
戸次重幸のまっすぐすぎるほどの強さ。
大泉洋の何にでもなれる技量と冷静さ。
音尾琢真の柔軟性と自由自在な部分。
…真面目に書きましたが、初見時はわー!うわー!かっこいいぃぃでしたからね。
自分のスマホのメモ機能に「やべぇ森崎博之めっちゃかっこよくない??かっこよすぎじゃありません??」という文言が残されていました…
木刀一本で闘う宮部鼎蔵がかっこよかったんですよ…
このLOOSERという作品、5人だけでお芝居をしているので一人が二役以上を演じています。
ちなみにTEAM NACSの本公演ではこの方法が取られている作品が多いです。
今回の2022年版も5人だけでたくさんの役柄を演じていたので、この部分でも2004年版を大切にしてくれているんだなぁと感じました。
あと特筆すべきは大泉さんの演技。
一人一人が素晴らしい役者なのはもちろんなのですが、今回の大泉さんの役どころがもう…
ご本人の性格からしても、今までたくさん演じられてきた役柄からしても、割と陽のイメージがあると思いますが、今回完全に冷たかったです。ダークです。黒かったです。
目に光の入らない大泉洋の怖さったらない…
バチバチにやりあう大泉さんと戸次さん最高でした…
(あ、だんだんこんな書き方になってきた…)
あともうひとつだけ。
これは下の特報映像でも見られるのですが、安田さんが「昔の自分に勝てないってのは、生きていくうえで癪なので」という発言に痺れまくりました…
音尾さんの「頑張らない」というのも印象的。(これは特典の方でしたね)
18年で5人はいろんなものを得たんだなぁ、と。
【特報 第3弾】TEAM NACS 25周年最終プロジェクト「LOOSER 2022」 - YouTube
これを配信だけにしておくのはもったいない…。
で、まだね、チケット販売されてますよ。
日曜日までしか見られないですよ。
見てもらうのが一番良いので。
よろしければ。
追記。
アーカイブ期間終わってしまった…
25周年の締めくくりに素晴らしい作品をありがとうございました。
と、同時にもっといろんな人にTEAM NACSのお芝居を見てもらいたいな、5人揃ったときの凄さを感じてほしい、と思いました。